融点測定器の簡単な初歩や基本的な使い方・利用方法・仕様方法・やり方
融点測定器とは
日本薬局方でも定められている仕様と同様の融点測定器の初歩的な使い方について紹介します。直径7~8cm程度の耐熱ガラス製でガスバーナーをあてて加熱する底の部分は下向きに円錐状に尖らせてあります。上部は開口部でシリコン栓などで押さえられるような栓をして使用します。 シリコン栓には温度計を差し込んで、油浴中に浸かるような位置にセットします(①)。装置全体をスタンドなどに視線に水平になる位置に固定して使用します。 装置の中には以前は濃硫酸を入れていましたが、危険なため最近は扱いやすいシリコンオイルを用いるようになりました。 ガラス毛細管は、融点を測定する試料を微量入れる毛細管で、融点測定管ともいいます。融点測定器に装着して用います。ガスバーナーでガラス管を引き伸ばし、ガラス切りで5cm程度に切断、ガスバーナーで管の一方を赤熱して閉じます。ガラス毛細管は市販のものもあります。
初心者にオススメの融点測定器の使い方・利用方法
ガラス毛細管に乾燥した固体の細かく砕いた試料を、毛細管の開口部を試料にさして底に落ちるように入れて最終的に1~2mmの高さになるようにします。 それを上の①のようにセットした温度計の先の液だめの球の位置に、ガラス毛細管の試料の入った部分が接するように、油浴に使用しているシリコンオイルで密着させます。 シリコンオイル中にこの①を浸けて栓をし、測定器の底の部分をガスバーナーの弱い炎を、装置の円錐部分の周囲をゆっくり回しながら加熱します。目で見ながら温度が上がるのを確認します。シリコンオイルの温度はゆっくりと均等に上げていくことが望ましいです。 融けはじめを確認できたらノートにその温度を記録、さらにつづけて温度をあげ、試料がすべて融けたところでもう一度温度を記録します。これが試料の融点範囲です。
融点測定器は簡単に使える
"基本的な融点測定は融点測定器を用います。この装置は耐熱ガラスの試験管で一般の試験管は底が丸いですが、この試験管は円錐形になっています。この特徴ある構造はガスバーナーで温めやすいようにするためです。 中に温度計と試料をセットするだけのシンプルな構造です。コツをつかめば容易に融点範囲を知ることができます。じつはこの装置を用いた方法は理解しやすく学校の実習などでも用いるものです。 近年は中に入れる油がシリコンオイルになりましたので、扱いがさらに容易になり、融点測定の初歩を学ぶには好適の器具です。 試料を細かくする。毛細管に試料を入れる。ガスバーナーを扱える。ゆっくりと温度をあげることができる。この基本的な実験操作ができればこの装置は十分初心者で扱えます。"
融点測定器を使うのに必要な準備
上に紹介した融点測定器は直径5cm、高さは30cm程度の耐熱ガラス管です。底の部分は少し膨らみ下向きに円錐状に尖った形状です。ガラスにヒビやわれがないことを前もって確認します。上部の開口部に栓をできるシリコン栓を準備します。 このガラス管にろうとなどを用いてシリコンオイルを先のとがった部分に4,5cmの深さになるように入れます。 シリコン栓には温度計を差し込んで使いますから、前もって液だめ部分が油浴中に浸かるような位置に調節します。温度計を差し込むシリコン栓の穴がゆるすぎないか注意します。装置全体をスタンドなどにクランプを介して固定して真正面から試料と液だめの位置が水平に見られるように高さを調節します
融点測定器の使い方・手順
固体の試料をよく乾燥させます。そして細かく砕いて毛細管の開口部より、逆向きにして試料に入れて、毛細管の底に落とし最終的に2mm弱の深さになるようにします。 その毛細管を上のように調節した温度計の液だめの位置に合わせて、シリコンオイルで温度計に密着させます。温度計の液だめ部分がシリコンオイルの油浴にちょうど浸かるか外から確認します。 シリコンオイル中にこの毛細管を装着した温度計を差し入れて栓をします。そして測定器の底よりガスバーナーを右手で持ちながら弱い炎にし、周囲をゆっくり回しながら温めていきます。この際、温度が急激に上がり過ぎないようにしかも均一にオイルが加熱されることに注意を払います。 そして試料の融け始めと、融け終わりの温度をそれぞれ記録します。
融点測定器を使えると何が良いか?
この装置の使い方を覚えると、物質の融点を測定して既知の値と比較して物質を同定することができます。これは化学の物質同定法の基本の技術の一つです。さらに、この装置を用いた方法は基本的に日本薬局方にも記された公定法でもあります。したがってこれをきちんと操作できることは公に認めてもらえるデータを自分が出せることにつながります。 また融点から物質の純度を知ることができます。試料の融け始めと融け終わりの温度の範囲が狭いと試料の純度が高いことを示しています。逆に温度の範囲が広いと純度は低いことになります。 こうした上にあげた融点測定器の利用方法を修得していると、他の精度や再現性が良い装置を利用する上でもこの知識が役立ちます。
融点測定器の利用時の注意点
融点測定値で得られるデータはあくまでも融点の範囲です。純粋な物質ほど溶けはじめから融け終わるまでの時間は短いです。さらに目的の純品の融点と比較して試料の測定値が低い場合は純度が低いことを表しています。 あらかじめ融点の予測がついている場合は、融点マイナス30度ぐらいまでは比較的早めに加温しておいてよいですが、それ以上ではゆっくり温度を上げていく(1分間で1度程度)ことが必要です。すると正確に融点範囲を測定できます。 未知物質の場合には融点はわかりませんから、ゆっくり温度を上げていく必要があります。試料が十分にある場合は、あらかじめ大まかな融点範囲をつかんでおいてから、もう一度じっくり測定することもできます。
融点測定器の全体的なまとめ
融点を測定し、文献で得られた値と比較することから物質を同定することができます。また融点から物質の純度を知ることができます。 ここであげた基本的な融点測定器の利用方法をマスターすることは、他の精度や再現性が良い融点測定装置を利用する上でも役立ちます。今回説明した測定器を使用する際のコツは、あわてずにあくまでもゆっくりと温度を上げていくことです。そしてシリコンオイルの温度をなるべく均一に上げていくことが大切です。 ここで得られる融点は範囲をもっています。融けはじめと融けおわりの範囲になります。この範囲が狭いほどそして標品と融点が近いほど純度が高いことを示しています。 温度を急激に上げてしまうと、融点が低めに出てしまうことがあります。さらに融点の範囲を知ることも難しくなってしまい、試料の純度を見誤ることになってしまいます。
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